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「吉田高等学校定時制の閉課程記念碑」完成

今年の3月を持って60年の歴史を閉じる事となった。そのモニュメントの制作依頼が有りました。

2007年2月その制作に掛かり、2/26完成しました。

 2月28日山梨日日新聞にも記事掲載しました!

作品構成

1. 6個の石は、60周年という歳月を10年単位(一般的に10年一昔と言いますので)を表しまた。

2. 真ん中に灯りを置き、廻りの石を照らします。この事により、学校のシンボルである「炎」を囲む60年というイメージを作りました。

3. 石の穴や上には、「ふくろう」達を置き、夜勉強した生徒さん達の巣立ちや、その思い出に浸る姿を表しました。

4. 穴の開いた石に入るふくろうは、生徒や、先生達が制作したふくろうを納めました。そして、他の石に比べ、雨に弱いソープストーンを守りました。

 

作品制作

ベースの石は富士山の熔岩石です。製作する機械や、石の重量の関係で、2つの石を組み合わせております。厚さ135mm広いところの幅は約1100mm。中心となる石は、真鶴の小松石。高さの有るので約700mm。私としては、結構大きな作品です。

その中にふくろうを15羽遊ばせました。高校の先生や生徒さん達にもそれぞれ1つづつ作ってもらい穴のあいた部分に納めました。この石は、フィンランドの石で、とても柔らかく、鋸でも切れる程ですので、彼等は、丸一日私の工房に来て楽しく制作しておりました。

右の写真は、そんな生徒さんが作品完成の時に来ててしげしげと作品を見ている様子です。

その中の一人の発言「私がおじいさんになったら、孫を連れて、この碑を見に来ます!」とのこと、とても嬉しい言葉でした。

彼等の名前も、一番高い石の後ろに彫り込みました。

 

もう一つのメッセージ

石の穴ですが、この作品に近付いて斜上から見ますと、その穴は、ハートの形に見えるように石を使いました。自分の少年・青年時代、色々な人たちの真心の中で育った、そんな思いをこの穴に込めました。時間が経って、一歩上からその当時の自分を眺められるようになった時に、その心が見えてくる。そんな思いです。

 

後ろからの映像です。

設置場所は、山梨県富士吉田市にある吉田高等学校の正門を入って、すぐ右側です。

この明かりは、この学校の外灯のセンサーの回路に繋がっているので、暗くなると自動的に点灯します。冬場の時間は5時半だそうです。

今回、このお話を持って来ていただき、また私の色々な我が儘を聞いてくれた、この高校の先生のOさん有り難うございました。完成して、初めて明かりが灯った時にそれを見ておられたようで、暫くして私がカメラを持ってあらわれた時の一言、「点灯する時暫く、光の色が青くそれもとても綺麗だった」その顔が、嬉しそうでも有り、なんかとても満足したものに見えたのは、私だけでしょうか?

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